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親子で楽しむ 『東大阪むかしむかし』

その21  弾正どのは大悪人2017/05/30

むかーしむかし、瓢箪山稲荷神社の太閤橋のルーツのお話じゃ

弾正どのは大悪人

稲荷のまえの石の橋

近鉄瓢箪山駅を南へすぐ、瓢箪山稲荷神社の参道の入り口にひっそり架かる石の橋。

『太閤橋』と呼びならわされています。

この橋の由来にまつわる話があるんですよ・・・・

闇夜に光るは三昧の火か

豊臣秀吉がまだ日吉丸と名乗っていたころ、世は戦国・永禄二年の大晦日。
日が落ちて真っ暗な東高野街道を、北へとぼとぼと歩む一人の浪人がいました。

士官の道を求め、妻女と二人で各地を浪々としていたものの、摂津高槻にて妻女が急な病にたおれ、路銀も使い果たし困うじたあげく神だのみとばかり信貴山に参籠した帰り道のことであります。

妻の待つ高槻へ帰らんものと街道を北へ北へ、急いでいたものの思うようにはかどらず、日はとっぷりと暮れ、はては松明の火すら消えてしまいました。

松明を灯そうにも火種すら持っておらず。
なすすべもなく、一寸先も見えない闇の中をひたすら歩いていたのでありました。

ちょうど高安の里をぬけ、四条の村に入ったころ、街道の先方、東側に火の手が!

有り難や、さっそくあの火を貰わんものと近づいてみるに、これはいかに、死者を弔う三昧の火ではないかいな・・・・

寒さとひもじさ、情けなさで浪人は心が折れそうになりました。

しかし今となっては屍を焼く三昧の火でも求めねばならぬ身の上。

やむなく自分の松明に火をうつし、ふと、傍らを見ると・・・・

瓢箪を伏せたように見える塚の前を流れる細長い川。

川に架かった朽ちた木橋のそばに白木の卒塔婆が立てられていて、その前には山と盛られた供養の餅。

「わしには明日の元旦を祝う餅もない、あの餅をこのままにしておけばキツネの餌になるだけじゃ。これを持ち帰ったところで、だれも咎めるものは無し、どうせ仏は物言わぬもの。後日、大功をたて立身の暁には何倍かにして返せばよいではないか。」

そして、その餅をみな持ち帰りました。

あくる元旦、妻女と二人新年を祝うことができたのでありました。

大功なせるや弾正どの

浪人の名は松永久秀。

このとき以降、出自も経歴も定かでない彼が、運が向いたか如何な手をつかったか、阿波三好家に仕官することが出来、主君の寵愛を受けて、とんとん拍子に出世したのです。
名も「松永弾正」と改め、恩を受けた主家を乗っ取り、権勢を誇り、世間にその悪名を轟かせました。
 
織田信長は久秀を評して、「この男は、一つに主家の簒奪、二つに足利将軍の謀殺、三つに奈良の大仏殿を焼き払った、常人では一つとして成せないことを三つも成した男よ」と言い放ちました。
悪逆の限りを尽くして戦国の梟雄の名を恣にしていったのであります。

彼の凄味は、かような悪逆をなしながらも、物事を合理的に計り、深い教養に裏付けられた新しい事物へのスタイルを生み出していったことでした。
 
彼の設計した多聞山城には、日本で最初の白亜の天守閣が設けられ、それを見た信長をうらやましがらせました。
茶道にも精通していて茶器のコレクターとしても名をはせていました。

彼のその最期は、信長が彼の秘蔵の茶器「平蜘蛛」を譲れというのを突っぱね、争い、そして居城・信貴山城の天守閣で茶器ともども自爆して果てたのであります。

そしてついでに、日本ではじめて火薬で爆死したことでも名を残したのであります。

大悪人の血のなみだ

この彼にも涙を流すときがありました。

糟糠の妻女が死病に伏したとき、久秀は嘆いて、毎日、妻女の床のそばに付き沿っていました。

妻女とのかたらいに、ふと三昧の餅のことを思い出し、物語る・・・・
と、その話を聞くや妻女は悲しがり、仏さまに申し訳なやと言って息を引き取ったのでありました。

久秀は、そのとき始めて我が所業のなせることに気づき、失ったものの大きさに悔やみました。
妻女の供養のため、卒塔婆のそばの朽ちた橋を丈夫な石の橋に架けかえさせました。
その年の冬至の日、落成なった石橋を「大功橋」と命名し、近在の村人には橋供養として赤飯をふるまったのです。

村人たちは、久秀がこの橋のある辻で吉凶を占い功名をあげたと噂し、その辻を「弾正の辻」と呼んで、ここで辻占を行うようになりました。

太閤橋由来記

久秀が死に、信長もこの世を去り、長かった戦乱の世も終わりを告げたある時。

豊臣秀吉は、「大功橋」のそばの瓢箪を伏せたように見える塚に稲荷を祀り、「瓢箪山稲荷神社」を創建しました。

「大功橋」は「太閤橋」と改名され、「瓢箪山稲荷神社」は辻占の総本社として有名になりました。
 「弾正の辻」は「巫女ヶ辻」とも呼ばれ、近年まで瓢箪山稲荷神社の占場があったのであります。
おはなし  ひょこタンのパパ
(その21おしまい)


その22をお楽しみに!

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