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こんにちは、まいぷれ東大阪市編集部です!

11月20日 ZUNZO生誕100周年「大阪・東大阪の歴史と文化・経済を語る」

「宮本順三記念館の未来の夢と文化の駅」事業 NPOおまけ文化の会 シンポジウムと意見交換会に行ってきました!

2016/11/21

鉄道が開通して町がどのように発展したか、大阪の経済人達が文化をいかに支えたか。<br>大阪商人で文化人・クリエイターの宮本順三・岡田三郎と豆玩舎ZUNZOの未来の夢について。<br>
鉄道が開通して町がどのように発展したか、大阪の経済人達が文化をいかに支えたか。
大阪商人で文化人・クリエイターの宮本順三・岡田三郎と豆玩舎ZUNZOの未来の夢について。
近鉄八戸ノ里駅の南側に、宮本順三記念館・豆玩舎ZUNZO(おまけやズンゾ)があるのをご存知ですか? 

生涯グリコのおもちゃデザイナーで、2004年に89歳で亡くなった宮本順三さんが作った、世界の伝統玩具と自身の作品の展示館&子どもから大人までが学び合う学舎なんです。「子どものおもちゃを大事にする国は、文化的に豊かだ」という宮本順三永久館長の想いが詰まっている場所です。今は、想いを継ぐ方々がNPO法人おまけ文化の会を設立し、運営に当たられています。

今回、平成28年度・東大阪市地域まちづくり活動援助事業「宮本順三記念館の未来の夢と文化の駅」の一環として開催された、シンポジウムと意見交換会を取材してきました。

事前予約が必要な会なのに、70名ほどの方々が集まり、にぎやかに開催されました。
初めてこのような催しに参加したので、内容を理解するところまではなかなか難しかったのですが、私なりに内容をお伝えできたらと思います。

ご挨拶

岡田三郎氏<br>(NPO理事長。オルファ株式会社相談役)
岡田三郎氏
(NPO理事長。オルファ株式会社相談役)
樋口須賀子氏<br>(宮本順三記念館 副館長)
樋口須賀子氏
(宮本順三記念館 副館長)
まずは、主催者のご挨拶から始まりました。

岡田氏は折る刃式カッターナイフ(オルファカッター)を考案された方で、長年カッターナイフを作ってきたが引退後、子供たちに工作やナイフの使い方などを教えられています。NPO法人おまけ文化の会の理事長で記念館への支援と様々な文化活動をおこなっています。豆玩舎ZUNZOに月5回は来るとおっしゃっていました。子供たちと触れ合うことで勉強にもなりZUNZOと出会えたことは本当によかった。と話されていました。ZUNZOとは宮本順三さんのニックネームだそうですから、ZUNZOさんと岡田さんが、このような活動を始められたのかと思います。豆玩舎ZUNZOの活動に、サブローごまコンテストというのがありますが、このサブローが、岡田三郎さんのことです。

副館長 樋口氏は、宮本順三さんの娘さんです。今回のシンポジウムにはたくさんのボランティアの方が参加してくれたということに感謝し、お父様との思い出などを話されました。順三氏が亡くなった今でも、父以外の館長は考えられない。ZUNZOの永久館長だ!ということで、副館長という肩書のままでいらっしゃいます。最近では近くの方が立ち寄ってくれるようになったことを喜んでおられました。お父さんの活動を継いで大切にされるというのは、すごい事だと思いました。

ご挨拶につづき、3つの講演が開催されました。順にご紹介します。

講 師(敬称略)
宇田 正(追手門学院大学名誉教授、東大阪市史編纂ほか)
※順三の実兄・宮本又次門下で元鉄道史学会会長。豆玩舎でもかつて街人(まちんど)講座を開く。

宮本又郎(大阪大学名誉教授、大阪企業家ミュージアム館長)
※順三の実兄・宮本又次長男。五代友厚の著書もあり、最近ではNHK連ドラ「あさが来た」の時代考証など。

八十定巳(播磨考古学研究会代表、宮本順三記念館・顧問)
※生前より順三と親交、豆玩舎開館~運営に尽力

最後に、参加者で意見交換会が行われました。
テーマは「まちの未来の夢を語る…歴史・文化・経済の視点から地域発展の可能性を探ります。」です。

中河内の近代化と大軌(奈良線)の役割

宇田正氏<br>(追手門学院大学名誉教授、鉄道史、東大阪市編纂ほか)
宇田正氏
(追手門学院大学名誉教授、鉄道史、東大阪市編纂ほか)
1.宇田氏の生い立ちと大軌
2.河内の歴史は、大阪よりも古い
3.中河内における「大軌」以前の阪・奈間鉄道の影響
4.大阪電気鉄道(大軌)の開業と中河内北部の発展
5.中河内北部における近代文化展開の一事例
(帝国キネマについて)

大阪の歴史と文化・経済を語る

宮本又郎氏<br>(大阪大学名誉教授、大阪企業家ミュージアム館長)
宮本又郎氏
(大阪大学名誉教授、大阪企業家ミュージアム館長)
1.いくつもの大阪(4つの歴史的系譜)
2.江戸時代の大阪と大阪商人
3.明治以降の社会貢献活動(教育・文化)
4.「大大阪」とグリコ・宮本順三
5.大阪の特質
 ・いくつもの大阪:不断に変貌する都市
 ・開放性と同化力
 ・市場経済原理の信奉と権力嫌い
 ・文化・学芸・教育の軽視?

ZUNZOの夢&サブローの夢

八十定巳氏<br>(播磨考古学研究会代表、宮本順三記念館 顧問)
八十定巳氏
(播磨考古学研究会代表、宮本順三記念館 顧問)
1.ZUNZOの夢
宮本兄弟(又次と順三)の約束
2.サブローの夢
ものづくりの楽しさ、手づくりの大切さを次世代に伝えたい
3.豆玩舎からの発信
コレクションとおもちゃ作りを通じて、次世代へ夢を託し、ZUNZOの願いであった大人と子供が一緒に楽しめる博物館”として、ここに来れば誰もがあたたかなココロになれる活動

まちの未来の夢を語る

意見交換会では、講師の方が参加者の方から疑問に答えてくださいました。
時間の関係上、参加者全員の意見を聞くことはできなかったのですが、

・東大阪が大河内になるためのヒントは?
・大阪を発展を支えるためのキーポイントは?
・小さな博物館同士ので提携していければいいんじゃないか。

などの質問に講師の方がそれぞれ専門分野から見た意見を話してくださいました。

シンポジウムと意見交換会に参加した感想

 私自身、東大阪の歴史や地域のことをほとんど知らなかったので、初めて聞くような話ばかりでした。豆玩舎ZUNZOとというものが八戸ノ里の駅近くにあるということも最近知りました。私のように、近くに住んでいても知らなかった!というひとはたくさんいると思います。今回のシンポジウムは東大阪について基礎知識がない私には難しかったですが、これから若い世代の人たちにも、東大阪の歴史や豆玩舎ZUNZOのような小さな博物館に少しでも興味を持つ人たちが増えていけばいいな。と思いました!

まいぷれ編集部 C.C.