カレーライス　

１．とろとろに煮込んだビーフカレー（＋黄身）
２．ミニサラダ（ごまドレッシング）
３．福神漬けとらっきょ

とてもシンプルなカレーライスです。
見た目にはシンプルですが、お味はとても複雑なんですよ。
あっさりして深い。そんな感じのカレーライスで、スパイスの香りに包み込まれるような感覚になります。かといって、押しつけがましいものでもありません。
ほんのり主張するスパイスと、どっしり支える肉の旨みという感じとでも言いましょうか。。。

ここのカレーは糖分としての甘味ではなく、煮込んだ牛肉から来る旨みに支えられています。なので、ちょっと甘さが欲しくなってきます。そんなときに、付け合わせで食べ放題の「福神漬け＆らっきょ」が良い仕事してくれるんです。

とにかく、ここでしか食べられないカレーであることは太鼓判です！

では、私にとってここのカレーが特別な訳は、、、

洋食やまかわのオーナーシェフ山川さんは、元々肥後橋にあった洋食レストラン「青楓（せいふう）グリフ」の料理長をなさっていたんです。青楓グリルというレストランは、ちょっと古めかしいビルの一階にあって、いかにも老舗レストランという感じの佇まいでした。若いOLのお財布にはちょっと厳しいお値段で、一種憧れにも似た感情を抱く場所だったのです。赤いじゅうたん、手入れされて艶が出た木製のテーブルと椅子、それだけでも老舗って感じでしょ？

今は昔の30数年前、このレストラン近くのOLだった私は、いつか青楓グリルに行きたい！という気持ちが募り、或る日本当に一人で行ってみたのです。そして、色々な素敵なメニューの中で燦然と輝いていた（＝一番お安い）カレーを注文したのでした。（でも、1500円！）

そのカレーが、びっくりするほど美味しくて、虜になりました。

今思えば、そのカレーの何がそんなに美味しかったのかはよく覚えていないのです。お店の雰囲気、1500円というお値段、ゴージャスな気分、そしてカレーそのもののお味。それら全部が合わさって、「とびきり美味しいカレー」という記憶になったのだと思います。

後日、私がつわりで苦しい時にも、このカレーだけはすいすいと食べることができました。
それを言い訳に、分不相応な価格のカレーを食べに、青楓グリルに頻繁に足を運んだものでした。

いつしか仕事と子育て、親の世話に追われ、青楓グリルのカレーを思い出すことも無くなっていました。そして、それらが一段落した今となっては、お店も無くなりカレーを食べることもできなくなっていたのです。

※「青楓グリル」は、2009年に閉店したのですが、建物は今でも文化財として残っています。

そんな思い出のカレーを食べることはすっかり諦めていました。

でも、青楓グリルの料理長が、瓢箪山で「洋食やまかわ」というお店をやっていると知り、もしやカレーがあるのでは！？と訪問する日を心待ちにしていました。

そして、そのカレーと巡り合えたのです！！！Welcome back 青楓グリルのカレー！！！！
それも、値段は860円。30年前のほぼ半額！！！

そんな私の思い出カレー。ゆっくり頂いたあと、マスター、奥さんと懐かしい話に花が咲きました。

次はゆっくり別のメニューも食べられるかも、、、いや、やっぱり私はカレーがいいかな。